変わっていくレースと時代遅れの予想方法

競輪もボートと同じく高配当続出中

超高配当ラッシュはボートだけではなく,競輪でも起こっています。競輪は9車立てで、車券の組み合わせが504通りもあり主す。ポートは120通りなので、もともと競輪の方が高配当が出やすいのですが、それだけでありません。

競輪のファンの会話を聞いていると、何十年も前の考えにとらわれていると感じるときがあります。
今の競輪は大ギヤを踏む選手が増え、競り合いに厳しいルールになっています。その後、転倒事故
防止のため大ギヤは制限されましたが、競り合いに厳しいルールはそのまま残っています。それなの
に,小ギヤで競り合いがあった頃のイメージのま主予想を立てて、車券を購入しているのです。

変化していくレースと、変わらないファンの思考、そこにズレが生じます。そのズレが大きいほど、
高配当が飛び出すわけです。

ルールが変われば、レースも変わる

ポートでも同じことが言えるのではないでしょうか。2年に「選手持ちプロペラ制度(持ちペラ制)」
が廃止されました。1988年から24年間続いた制度です。86年1月に平和島で始まった選手相互整
備協力禁止(自主整備) の流れを受けて、持ちペラ制も導入されました。「選手はプロなんだから、
自分のモーター整備は自分でやりなさい」ということです。

持ちペラ制を導入した背景には、電話投票など舟券発売の広域化がありました。「いつでも、どこ
でも」舟券が買えるという状況に合わせて、予想の基準を選手個人にする必要がありました。場外発
売もSGぐらいしか行っていなかった時代に、江戸川のモーター相場が、福岡のファンにわかるわけ
がないからです。ポートレース専用のCS放送·日本レジャーチャンネル(JLC)ができたのは92年です。

全国を移動する選手を基準にすれば、自分のホームに来たときの様子から予想ができます。選手本
位で作戦を立てて舟券を買わせるために自主整備が導入されたわけです。レース場によって異なる展
示タイムの計測距離を、全場同じ150mタイムに換算して公表するようになったのも、場外発売を
見据えてのものです。

現在は場外発売どころか、ライプも過去のレースも見られる時代です。持ちベラ制を続ける理由はありません。数枚のプロペラをレース場に持ち込めるために「どのプロペラを使っているのかわから
ない」「モーター成績が参考になるのかわからない」という声や、選下の負担の大きさも見過ごせな
くなってきました。そこで、モーター備え付けとする今のプロペラ制度になりました。
24年間も続いた制度が変われば、舟券作戦も見直さなければなりません。ところが現実問題としてそれができない人が多いようです。

 

改良型モーターに選手も試行錯誤中

 

改良型モーター13年と16年を比較して3連単超高配当の数が倍増したと言いました。13年と16年の違いといえば、
モーターが変わったことが挙げられます。

14年から1年かけて、全場に最高出力を1馬力落とした「出力低減モーター(ヤマト33.1型)」が導入されました。事故防止を目的に開発されたモーターは最高回転数を200回転、パワーを1馬
力落としています。1着タイムも2秒近く遅くなりました。

モーターに力がなくなったので 引き波に入ると出て行かず、波のないところを全速で回った選手が勝ちます

最近のSGやG1がモーター抽選次第と言われているのは、選手自身が変化に対応できていないからです。モーターやプロペラの調整や、レースをしたときの体感の違いに苦しんでいます。それにも関わらず、持ちペラ時代のイメージで舟券が売れるので、人気になった選手が負けて超高配当になるのです。

プロペラ制度が変わり、モーターも変わりました。ルールも使うものも変わったのに、旧来の考え
で舟券を買っていて的中するわけがありません。競輪と同じく、このズレが超高配当の飛び出す理由
です。

多場発売で楽して当てる派が主流に

ー場に腰を据えてモーターをチェックしながら舟券を買っていた時代から、次から次へと何場もの
舟券が買える多場発売の時代になっています。江戸川の外向発売所「ボートレース365」は12場発
売、平和島の外向発売所「平和島劇場」も12場発売しています。オートレースチケットショップ(B
TS)では8場発売が当たり前、いずれ全24場発売も始まるのではないでしょうか。少しでも自場の
レースを買ってもらおうと、各レース場は発売締切時間が重ならないように配慮しています。多場発
売では次から次へと締切時間がやってきます。舟券作戦を立てる時間は少なく、有名選手と1号艇が
人気を集めます。

1号艇に有名選手を乗せて的中を誘導するシード番組といったレースが増えたことも、舟券思考力
を低下させています。実力拮抗で考えないといけないSGの売り上げが落ち、舟券を取りやすい女子
レースに人気が集まるわけです。