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スリット写真ーノンシャッター
競艇のスタートラインおよびゴールは、「所定の位置に標示された2本の垂直線を競走水面に見透した線とする」と定められています。水の上にはラインが引けないから、スタートやゴールの判定はスリット写真を参考にして行うわけです。
判定用のスリット写真は、通常使われているカメラのように, シャッターを切ってスタートやゴールの瞬間を撮影したものではありません。かといって、1コマずつ連続撮影して合成したものでもありません。
スリット写真を撮るカメラには、シャッター装置がついていません。スリットカメラのレンズは通常のカメラと同じものですが,このレンズの後方に100分の3ミリのスリット(細い隙間)がスタートラインに合わせてセットされています。通常のカメラだと被写体全体が写りますが、スリットカメラでは被写体全体は写らず, スリット(隙間)部分だけが写る仕掛けになっています。
このスリットの後方にフィルムがあり、スリット写真を撮影する時はポートのスピードに合わせた基準速度で、フィルムがポートと反対の方向に流れていきます。スリットによって刻み込まれた被写体は、フィルムの流れと被写体の通過によって連続的に映像となるわけです。もちろんスリットカメラは全自動撮影で、すべて大時計と連動しています。
.0秒11秒にホワイトライン
簡単に説明すると、スタート10秒前にレンズのキャップがはずされ、撮影準備完了です。
大時計が1秒前を指した時に自動的にスイッチが入り撮影が開始され、フィルムが基準速度で流れ始めます。
大時計の針が0秒を指すと同時に電気信号が送られ、カメラの前にあるストロボがたかれます。フィルムには,その時の光が白線となって焼きつけられます。そして、走ってきたボートがスタートラインを通過していく順に、スリット写真に写っていくわけです。
まず艇首が写り→ポートの中央部→ボートの後部 エンジン部分と撮影されます。スタートラインで上がった水しぶきも、こうして順次写るわけです。そして大時計が0秒を指してから1秒後に、再び大時計から信号が送られ、ストロボの光がフィルムに焼きつけられます。最初に写った白線と後から写った白線との時差はちょうど1秒間です。
.0秒より前はフライング
ボートの先端(艇首)が最初の白線より前に出ていればフライング、後の白線より前に艇首がなければ出遅れとなり、それぞれ出走資格を喪失し、舟券は返還されます。
·短いほうがいいとは
スリット写真にはスタートラインを通過する時点のポートが写るわけですから,スタートラインを速いスピードで通過すれば、スリット写真に写るボートは短く、反対に遅いポートは長く写ります。
つまり短いほうがスピードが速いのです。ゴールの判定写真には、100分の1秒刻みの黒い縦線が入ります。
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